おかととき


桔梗の花の別名に、「おかととき」というのがあるそうです。

-「岡に咲く神草」という意味で「岡止々支」(オカトトキ)ともいい、土岐氏が本拠とした土岐の地名はこのトトキの咲くところから生まれたという説もある。(Wikipedia-桔梗紋 より)

私には馴染みがないのですが、Wikipediaに載るくらいメジャーな別名だったのですね。桔梗紋を背負っていながら全く不徳の致すところです。

さて、本日は私が着付けの仕事を始めるにあたり、屋号を『桔梗』にした由来など、少し書いてみようかな、と思います。

第一の理由は、私の着物の家紋が桔梗紋だったから、です。そのままですね。(笑)

もう少し詳しく書きますと…私が本格的に着物と向き合うことになったきっかけは、義母の形見分けで着物を譲り受けたからでした。それで必然的に桔梗の紋の入った着物が私の手元にやってきたのです。

私は婚礼の時に紋付の着物を用意しておらず、特にこだわりもなかったので、義母の背負っていた桔梗紋をそのまま背負うことにしました。

婚家の紋や実家の女紋への紋替えをとどまらせたのは、義母が残してくれた一枚の附下です。千鳥の地紋に爽やかな水色のグラデーション。背には刺繍の一つ紋が入っていました。桔梗紋といえば、「本能寺の変」で有名な明智光秀、水色桔梗の旗印。

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歴史好きだった義母が、美しい水色の附下にそんな遊び心を潜ませていたのではないだろうか、というのは歴史と同じく私の想像の域を超えることはないのですが、あまりに美しい水色の桔梗紋をそのまま纏いたいと強く思ったのです。

こんな風に着ていた人の思いを想像し、受け継いでいくのも着物の楽しさだと思うのです。

さてもう一つの理由。これはややこじつけなのですが、桔梗紋といえば、ほかに五芒星があります。「清明桔梗」と呼ばれる紋です。

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わが町阿倍野が生んだ歴史上の大スター阿倍野清明にもあやかったというわけです。

もちろん桔梗の花と家紋のデザインが大好きなのも理由の一つです。

桔梗は秋の七草の一つ。まもなく盛りの季節です。

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前脇たゆんの対策法


着物を着ているとき、身八つ口から前身頃の脇部分が「たゆん」と出てくることはありませんか?

下の赤丸で印した脇の部分が帯をふさぐようにかぶさってくるあれです。腕を動かしたりすると、どうしても出てきます。あまりみっともいいものではありませんが、人として動く生活をしている以上、どうしようもない現象なので、気が付いたときにピッとひっぱってぐっと帯に押し込むの繰り返しです。

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写真を撮る時や、トイレの時、目的地に到着した時、着席した時、などのタイミングでチェックする癖をつけておく、のが地道ですが一番の対策法です。もちろん、着る段階で上半身の皺をしっかり取る、空気を抜いておく、などの着付けのポイントも大事ですが、あまり気にしすぎないことも大事かと思います。気にしなさすぎも良くないのでしょうが、そこはケースバイケースで。

さて先日、着物本を読んでいますと、ちょっと目からウロコな対策法が載っていました。

コーリンベルトを身体の幅に合わせ、右の前脇と左の前脇を背中でひっぱりあわせるという方法です。な、なるほどー!

コーリンベルトは本来、身体を一周半回って下前の衿と上前の衿を留める着付け専用の道具ですが、こういう使い方もできるのですね。

早速試してみようと思ったのですが、私は胸紐は腰紐派で、コーリンベルトを持っておらず、実践には至っておりません。

過去にはコーリンベルトを使っていたこともあるのですが、着物に伊達締めを使わなくなったのと同時に使わなくなりました。コーリンベルトを使うときは伊達締めで着物をしっかり押さえないと衿が浮きやすくなります。衿の浮きを解消しようとコーリンベルトをきつめにすると、衿が詰まって窮屈な感じに。私にとっては帯に短し、たすきに長し状態で、使わないうちに行方不明になってしまいました。

しかし、着付けの便利道具の中では定番中の定番。箪笥をひっくり返せば、たいていのお宅から一本や二本出てくるのではないかしら?(うちにはなかったけれど…

前脇たゆん問題に悩んでいる人は一度試してみてはいかがでしょう?

ただし、やはり不自然に着くずれを防ぐ方法なので、動きは制限されてしまうかと思われます。良く動く場面やお仕事の場には不向きな方法かもしれません。激しく動いて止め具がぱちーんとはずれるなんてことも起こりそう。写真撮影などには良いのかもしれませんが、そもそも写真撮影だけで「たゆん」となることはそうそうない、というままならぬお話。おとなしく座っていられる場面向きでしょうね。

↓このコーリンベルトの使い方は、こちらの本に載っていました。長襦袢に紐をつけてカスタマイズする方法がメインで紹介されています。


ゆる着物生活 下着・長襦袢編(8/8)


はじめてご覧になる方は、ゆる着物生活 ~はじめに~ をお読みください。

その8 伊達締めはどこに巻く?

9_1画像のように二~三寸幅の薄い単帯を伊達締めといいますが、これは長襦袢や着物の胸元を固定するための「伊達」の帯です。一般の着姿では完全なる裏方で、表に出てくることはまずありません。

以前、着物のネットショップで働いていた時、この伊達締めをどこに使うかという話題になったことがあります。

・長襦袢と着物と二本使う派
・着物にのみ使う派
・長襦袢にのみ使う派

実に見事に三派にわかれたのでした。もちろん使い方はどれも正解ですよ。

以前の私は、着物のみに使う派でした。が、師匠の指導をうけ、長襦袢の回でも触れましたとおり、「長襦袢こそが大切」ということを知り、長襦袢のみ使う派に転向しました。

使う紐は少しでも少ないほうが楽、というのは通説で、その通りだと思いますが、伊達締めを二本使うほうがピシッと決まる、という人はそれでいいと思います。

問題のないほう、問題のないほう。楽なほうへ、楽なほうへ。そんな自分のベストを探すのがゆる着物の旅ですから。

となると、一本も使わない、という選択もアリでしょう。

実際、私の場合ですが、普段着でちょいとそこまでって時には、伊達締めは使いません。そんな時の強い味方がヘアピン。長襦袢の襟を止めておくだけで、思いの外着崩れを防ぎます。これ一本で長襦袢の胸紐までとっちゃうって人もいてるくらいですから。さすがにそこまでは不安でできない私ですが、ちらっと見えてもかわいらしいピンを探し中です。

画像の伊達締めは成人式の時に使った定番品。正絹の博多織。もう二十年選手ですが、まだまだバリバリの現役です。他、マジックテープのついたものや、シャーリングの入ったものなど、いろいろな種類のものがあります。

★さて、いよいよ着物を着ていきましょう!と、その前に、もう一度長襦袢の背中の皺をチェックして、襦袢の伊達締めの下部分をしっかりとひっぱっておいて下さいね!★


ゆる着物生活 下着・長襦袢編(7/8)


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その7 やっとこ長襦袢

8_1やっとこ長襦袢です。着物は下準備に時間がかかるものですが、慣れてしまえばそう大変ではありません。楽しく過ごすための準備と思い、楽しみながら進みましょう!

さて、私の師匠はこう言い切りました。

「着崩れを防ぐには長襦袢をきちんと着ることが大事」、と。

ここは逃してはならないポイントです。実際、自己流で着ていたときと、着付けを教わってからとでは、長襦袢への力の入れ方(物理的な意味の力だけではなく)が大きくかわったような気がします。一番変ったといってもいいでしょう。

下に着るから見えないし~、とおろそかにしてるとあとでえらい目にあうということにようやく気がついたのです。

長襦袢の着付けしだいで上から着る着物をよくも見せるも見せないも(そして後で楽をするにも)ここが肝心要。

ポイントは、上半身の空気を抜くように体にぴったりと沿わせた着付けをすること。そうしておけば、着物は自然に長襦袢に沿ってくれます。

素材の話なら、おそらく正絹の長襦袢がもっとも着心地がよく、着崩れも少ないことは間違いないのですが、私のゆる着物生活では断然ポリエステルに軍配があがります。それはなんといっても洗濯機でジャブジャブ洗えるから。あと同じ理由と寒さ対策で、冬場はモスリンも使いよいです。

ポリエステルの長襦袢には普通の長襦袢と二部式襦袢のものがありますが、これはお好みで。ちなみに私は二部式長襦袢はほとんど持っていません。その代わり、筒袖半襦袢を多く持っています。これにはコットンや手ぬぐいの半衿をかけて遊んでみたり、長襦袢の袖だけ作って(または古い長襦袢の袖だけはずしたりして)変え袖をつけたり、自由に楽しんでいます。下はベンベルグの東スカートで、二部式襦袢風にできあがります。

ゆる着物生活 下着・長襦袢編その8 伊達締めはどこに巻く?へ


ゆる着物生活 下着・長襦袢編(6/8)


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その6 補正の実践

よく痩せている人から、補正でバスタオルをぐるぐる巻かれてつらかった、というような話を聞きますが、補正はメリハリのないフラットな体型にするのが目的なので、痩せていても鉛筆のような体型なら、実はあまり必要ありません。ふんわりと凹凸をなくすだけで大丈夫です。

一般的な日本人の体型ならバスタオルをぐるぐる巻くほどのこともないと思います。具体的には、タオルを使って、ウエストと鎖骨の下に少しボリュームを持たせるようにしています。

タオルを自分の体に巻き付けて着物を着るのが大変なら、補正に関する便利グッズも色々売られていますので、それらを使っても良いし、自分で手作りすることもできます。作り方はそんなにむつかしくありません。タオルを適当にたたんで紐をつけるだけです。D1000036 D1000037

こんな感じです。着物の下に着けるので、ざくざく荒く縫った物で十分です。自分の体型にあわせたカスタマイズも簡単です。

手作りする場合の注意点は、必ず洗い晒しのタオルや晒を使うことです。画像の渦巻き柄のタオルガーゼの類のものを使う場合は、特に色落ちに気をつけて下さい。

着慣れてくると、自分に必要な補正、不必要な補正の加減がわかってきますので、補正もだんだんといいかげん(良い加減)になってきます。

最近、着物に体が沿うようになったのか、補正がいらない体になってきたような気がします。100%着物で暮らしているわけではないので、これはこれで困りものなのですが。

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